ラジオ「まいにちロシア語」の黒田先生のご著書でよく推薦されているので、一度読んでみたいと思っていました。偶然dテキストを買っている電子書店パピレスで電子本として売っているのを発見。
ビューワーのT-TIMEも携帯電話等への書き出し可能版(1000円)を持っているので、書き出しできるか不明なもののためしに購入してみました。
417Pもの本(講談社電子文庫)をPCで読むのは初めてでしたが、携帯への書きだしにも成功して、一部はPC,一部は携帯とツールを変えながらゆっくり楽しく読むことができました。
著者の1970年代のフインランド留学体験記なので、既に30年近く前の話なのですが、まったく古いと感じません。もちろんインターネットもPCも出てこないのですが、学生の「本分」である学業に邁進、邁進、これまた邁進。という感じで、PCが出てこないことが不思議ではない・・。
著者は勉強が特に好きではないと書いているのですが、好きじゃないのに「ここまでやるかぁ」という感じの猛勉強ぶりがかえってとぼけた感じを生みだしています。たぶん傍からみたら勉強家なのに、本人が勉強家であると自覚していないあたりのずれがほんわかとした感じの元なのかもしれません。
著者の真剣さとユーモアの交じり具合がなんともいい味を出しています。たとえは・・(以下引用)
私も「北へ行く人」なのだろうか。北は寒色の世界、南は暖色の世界。友達に、
「あたし、寒色が好きなのよ」
と言ったら、
「えっ、間食?お菓子とか食べること?」
と誤解された。凡人はあまり気どったことを言わないほうがよさそうだ。(P.20)
この本には
フィンランド語の文法
フィンランド語の方言
フィンランド語の古文
という章もあり、フィンランド語とはどんな言葉かの一端に触れることができますが「ひゃーむずかしそう」という印象です。著者もそれにさんざん苦しむわけですが・・。
著者はフィンランド語で大量に作文を書きます。それもなるべく面白おかしい内容で。外国語で作文って大変だと思うのですが、やはり上達する人はそれだけの努力をしているのですね。
黒田先生が薦めるだけあって、語学学習者には一読の価値ありの本でした。元気が出ます!
書籍版は、著者運営の「猫の言葉社」で購入できるようです。
電子本なら講談社電子文庫版でこちらから。
PDFでの立ち読みはここの「は」行から。
講談社オンデマンドブックス
いきなりサンプルを読むならこちら(PDFにリンクしています。)
大活字版のサンプルPDF
0 件のコメント:
コメントを投稿