経済や投資などお金にからむ分野は、わかるようなわからないような話が多くあります。それも嫌いではありませんが、地に足のついた話をしてくれる人はとても貴重ではないでしょうか。漫画家さんの本ですが、漫画ではなくエッセイです。キツイことも書いてありますが、すらすら読めます。
きれいごとではない貧困の現実。そこから見事に脱出した著者が、貧困のただ中にある人からは見えない世界を、貧困と縁のない人には貧困の現実を、明快に言語化して教えてくれます。「予防措置」的には10代のうちに読んでおくのが望ましいでしょうが、「貧しくて何が困るのか」が見えていない大人にも十分役に立ちます。
昭和と令和では時代が違うといっても、日常の習慣や感覚が江戸時代からさほど変わっていないところもあるのでは。破天荒な著者なりに、特に若い読者に、自分と同じ方法でなくとも、それぞれの方法でなんとか貧困の連鎖を断ち切ってもらいたいという願いが誠実に伝わってきます。
この世でいちばん大事な「カネ」の話 (角川文庫)
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