2020年1月26日日曜日

鳥類学者だからって、鳥が好きだと思うなよ。: 川上 和人 (著)

生き物の研究をしている人の本を読んで素人との違いを最も感じるのは、「研究者は対象が生きていなくてもいい」という点です。鳥でも虫でも魚でも、生体をかわいがってその死を嘆き悲しむという流れは期待できません。解剖や、食べてみるのもつきものだからです。 そんなわけで、本書のタイトルについては、「本当に好きなのか疑わしく思ってました」と返したいところです。

著者は「バード川上」としても知られる気鋭の鳥類学者ですが、良くここまで入れたなと感心するほどの大量のおやじギャグと昭和ネタとともに話は展開します。専門書を期待している方には肩透かしでしょうが、「おもろいエッセイ」などをお探しの方は、鳥と虫(著者も虫嫌いですが、業務上やむなく接せざるを得ない)が嫌いでなければオススメです。知られざる鳥類学者の生態が明らかにされます。著者に感化されて、西之島の成長を友達の友達のように見守るようになること請け合いです。

鳥類学者だからって、鳥が好きだと思うなよ。

2020年1月19日日曜日

NHK BSの英語学習用番組

語学があれからどうなったかというと。うまくなった気は全然しないけれど、どうにか英語を仕事で使うという状態です。
プロの通訳さんと接するようになってかなり心がけが変わりました。通訳さんは事前に凄まじいインプットをして現れます。その努力は他の業務と掛け持ちできるようなものではなく、桁違い。
自分でどうにかできる場合はじたばたするけれど、業務上は「手に負えない場合は通訳さんにお願いした方がいい」と割り切るようになりました。

相変わらずNHKの番組にはお世話になっています。BS1で昼間と夜中のそれぞれ3時ごろ(時期によって変わる)にやっている、CNNスチューデントニュースと、攻略ABCニュース英語の深夜回を録画して見ています。


CNNスチューデントニュースは、CNNの本家ではCNN10という10分番組で、10分で3から5ぐらいのニュースやトピックスが取り上げられます。学習者向けにアメリカの制度の説明があったり、海外の視聴者も意識して作られています。アンカーはCARL AZUZさん。毎回放送の最後に早口&ダジャレがあります。本家CNNのサイトでも見られてTranscriptもあるのですが、NHK版を録画するメリットはTranscriptでもわからない場合に日本語訳が聴けることです。早口とダジャレの日本語版も工夫されていて、通訳さんは毎日大変だろうなぁと思います。

CNN10(本家CNNのサイト)


もう一つは、攻略ABCニュース英語。5分番組で、一つのABCニュースが、英語字幕、日本語字幕、字幕なし、キーワード解説(日本語)、英語字幕でダメ押し。と4回見られます。短いのによく手をかけてあります。 こちらは元のニュースは容赦ないスピード・語彙です。

攻略ABCニュース英語

この2つは、とりあえず録画はする。たまったらどうにか消化するを義務化しています。全部合わせてたったの15分、平日のみなのですが、累積したり、 難しい政治ニュースが連続すると意欲も低下。休止期間があると小学生の夏休みかのように喜んでしまいます。でも、たった15分、休止もありなのだからと止めないでいます。


もう一つおまけに息抜きのYoutubeサイト。Pancake maner 。幼児向けサイトです。この手はセサミストリートが本家ですが、声に捻りがあって難しいので、こちらの方が聞き取りやすくて好きです。 たとえば、ABCの歌(動画)。

Alphabet Song for Kids | Pancake Manor

何度まねしてもいまだにどこかで口が回らない。そのほか、数字、色、図形、動物、家族など基本単語の歌も豊富です。
ちなみに、出演のキャラクターの名前は、紫がReggie、オレンジがZach、そして、郵便箱龍がJimboです。ReggieとZachが兄弟かの答えはこちら。(動画)

Are Zach and Reggie Brothers? Jimbo finds out! | Pancake Manor

いまだに一部聞き取れていません。でも答えはわかりましたよ!(笑)。幼児向けも侮れません。そしてJimboのお便りコーナーのように、世界の小さな英語学習者を知ると励みになります。


2020年1月13日月曜日

津波の霊たちーー3・11 死と生の物語:リチャード ロイド パリー 著


 「よそ者」という言葉は悪い意味で使われることが多いでしょうが、ほめ言葉として「よそ者だから書けた本」と言いたくなるルポタージュです。原著は英語でGhosts of the Tsunami: Death and Life in Japan。翻訳者も渾身の翻訳だったのではと感じます。
宮城県石巻市の大川小学校。津波に「向かって行ってしまった」ために犠牲になったたくさんの児童と教職員。
 地縁血縁が強い土地柄に暮らし続ける犠牲者の周辺の方々が本音を話せるのは、言語も見た目も住むところも、おそらく一生重なり合うことがない外国出身の著者が適任だったのではないのでしょうか。
 どれが正とも誤とも言えないそれぞれの状況、それぞれの立場が浮き上がってきて、悲しいのに読むのが止められないという不思議な状態になりました。
 一方、「幽霊」の方はいわゆる憑依現象とそれに退治する宗教者の話ですが、単なるオカルト話ではなく「あれほどのことがあったのだから、そんなこともあるかもしれない、おかしくなってしまう人がいてあたりまえ」という気になってきます。これも著者の立ち位置が絶妙なことと、描写の技量でしょう。


津波の霊たちーー3・11 死と生の物語

閲覧ありがとうございます

2020年まで5年以上放置してしまいましたが、その間も閲覧いただいた方がいらっしゃったようでありがとうございます。いくつかの時事的な記事を非表示にしてリセットしました。