この本を読むまで、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR:United Nations High Commissioner for Refugees)について大きく勘違いをしていました。「国連の難民を助ける組織」なのだから国連軍など軍事的なバックアップの元に活動するのだというイメージだったのですが、実は基本的には支援はない。つまり非武装で活動できるようなところでしか活動できず、無理して活動すれば職員の生命が危険にさらされる(実際何名も犠牲になっている)ということは驚きでした。しかし危険になって撤退すれば非難される。本書の中では緒方元国連難民高等弁が国連の内部や世界の指導者へ向けて「職員の安全確保を。確保できなければ活動はできない」と訴えてまわる場面が何度もでてきます。紛争の真っただ中へ非武装の職員を送り込む。支援活動をしなければ難民は路頭に迷う。常に続くジレンマの中よくこのような重責に耐えてを10年も続けられたと感嘆します。
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